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黒子「ジャッジメントですの!」花山薫「ん・・・?」 3

501 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/14(土) 03:17:14.41 ID:Gx88mCbaO Be:
時は進み、2日の時間が流れた。病院の片隅、普段は憩いの場として使われるその一角は何故か今修羅場と化していた。

「だからそんなんじゃないじゃんよ」

「でも先に手を出したのは黄泉川先生なのですよ!」

「それはこいつが溜まってて……」

「原因は勘違いでこの子には何ら非はなかったのですよぉ! もっと真剣に謝らないといけないんです!」

「あー、だから、すまん」

「ちーがーうーのーでーすー!」

先程から何度も看護師によって注意を受けていたがもはや諦められたのか放置される始末。
そこではどう見たって本来は逆の関係だろうと思うような二人と男がいた。
話の内容は大きい方の女性が何やら謝っているのだがそれをもう片方の小さな女性(?)が納得いかないと騒いでいるというもの。

「……」

謝られてそろそろ半時間。その間、男は特に何か喋る訳でもなくただじっとしていた。
501 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/14(土) 03:17:14.41 ID:Gx88mCbaO Be:
時は進み、2日の時間が流れた。病院の片隅、普段は憩いの場として使われるその一角は何故か今修羅場と化していた。

「だからそんなんじゃないじゃんよ」

「でも先に手を出したのは黄泉川先生なのですよ!」

「それはこいつが溜まってて……」

「原因は勘違いでこの子には何ら非はなかったのですよぉ! もっと真剣に謝らないといけないんです!」

「あー、だから、すまん」

「ちーがーうーのーでーすー!」

先程から何度も看護師によって注意を受けていたがもはや諦められたのか放置される始末。
そこではどう見たって本来は逆の関係だろうと思うような二人と男がいた。
話の内容は大きい方の女性が何やら謝っているのだがそれをもう片方の小さな女性(?)が納得いかないと騒いでいるというもの。

「……」

謝られてそろそろ半時間。その間、男は特に何か喋る訳でもなくただじっとしていた。

505 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/14(土) 03:34:37.31 ID:Gx88mCbaO Be:
「……。久しぶりに、本気だった」

「ふえ?」

そんな彼が初めて彼女らに告げた言葉はそれだった。

「気にしちゃいない。色々面白いものも見れた」

そしてまだ傷が癒えきらぬままに見据えるその瞳は挑戦的なもの。

「いい目じゃんよ。けどすごい奴はまだ他にもいるじゃんよ」

「……」

「そういう奴のことが知りたいなら、ちっとは学校にもいってみるじゃんよ」

「……。考えとくさ」

「あ、必ず来てくださいなのですよ! 先生、花山ちゃんとお話したいですよ!」

一瞬、その呼び名に空気が止まる。

「あれ? 何か先生、変なこと言いました?」

「あー……。とりあえず、勘違いに関しては本当に悪かったじゃんよ」

深々と下げられる頭。それに一つ頷き、花山はきびすを返すのだった。

508 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/14(土) 04:05:49.40 ID:Gx88mCbaO Be:
足りなかったものは何なのか。考えても考えても答えは見えない。

「……ん、……さん」

相手にすらされなかった屈辱。安っぽいプライドが、傷ついた。

「……さんってば、しら……」

だからそれで終わりなのか。そんな訳がない。お姉様だって0から今に至ったのだ。自分だって何かができる。
だから、

「白井さんってば!」

「え? あ、ああ……初春」

「ああ……初春。じゃないですよ、ほら、何か連絡が来てますけど」

「あら、本当ですの。……ん、悪いですけど空けますわよ」

「またカリキュラム外の開発ですか?」

「ええ。ですから何かありましたらすぐに連絡を」

「……はい」

「……? なんですの?」

同僚の返事が色よくないのでつい聞いてしまう。

509 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/14(土) 04:10:37.12 ID:Gx88mCbaO Be:
「いや、そのですよ。白井さんはすごいのにまだ高みを目指してすごいなぁ、って」

えへへ、と照れた様子で笑う頭に花飾りを乗せた少女。

「なのに私は全然努力してないで、なんだか大丈夫じゃないなぁとか考えちゃいまして」

「……私なんてすごくないですのよ」

「へ?」

いつもなら喝を入れてくれる場面で、彼女はこちらを振り向きもせずに一方的に告げる。

「私なんて……何もすごくありませんの。だから努力くらいしか自分を騙せませんの」

「あの、白井、さん?」

「初春。改めて、任せますのよ」

「白井さん!」



同僚の心配を背に、少女はただひたすらに進むことしか出来なかった。

545 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/14(土) 16:57:26.36 ID:ayxl5s5F0 Be:
そういえばレベル5っていま一方さんと美琴たん以外でたの?能力とかだけでも

558 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/14(土) 17:59:02.10 ID:RW2e58ee0 Be:
第1位 一方通行(アクセラレータ)本名不明
第2位 未元物質(ダークマター)垣根帝督
第3位 超電磁砲(レールガン)御坂見美琴
第4位 原子崩し(メルトダウナー)麦野沈利
第5位 花札千切り(トランプクラッシャー)花山薫
第6位
第7位 念動砲弾(アタッククラッシュ)削板軍覇

順位不明 心理掌握(メンタルアウト)本名不明

574 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/14(土) 20:56:43.77 ID:Gx88mCbaO Be:
朝。学園都市のそれは早い。学園と名のつく場所であるからにはここのほとんどが学生である以上の必然だ。
とは言え全ての人間にそれが当てはまる訳ではない。例えば研究者であり、店の経営者であり、

「……」

学園に通わない学生というのもそれにあたるのだ。
あたりに散乱した酒の空き瓶や肴の数々、そして煙草。見たままの自堕落さがそこにあった。

「ん……」

大立ち回りを演じてからしばらく。肩の力が抜けた花山は学園都市の暗部の入り口を探り当てていた。
深入りする意味はないので浅く付き合いを持ち、最低限必要な嗜好品を手に入れられるようパイプを持つ。
後はただ好きなように過ごす。それだけ。……だったのだが、この日その静寂が破られる。



「花山ちゃーん! お迎えなのですよぉ!」

担任だと名乗るいつかの甘ったるい声が玄関先で響く。

「もうお医者さんから御墨付きをもらったんですから学校にいかなきゃなのですよー。ほら、開けてくださーい」

考える、とは返事をしたがまさか本気とは思っていなかった。どうすべきか迷い、結局面倒になりごろりと玄関から背を向けるように寝転がった。

576 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/14(土) 21:09:45.23 ID:Gx88mCbaO Be:
「もしかして居留守なのですか? それだと先生も本気を出さないといけなくなるんですよー」

本気、という言葉。先日の本気は良かった。自分に体一つでぶち当たってくれた女教師。
ガス抜きというのはあまり外れてはおらず、満たされていないという意味での不満がそのままでていた。
誤解から始めてはいたが本質は見抜いていたのだろう、と彼なりに思う。
そして何より、自分にトドメをさしたあの存在だ。圧倒的な戦力としての可能性がそこにあったと感じられる。
外に居た頃に聞いた“ある鬼”のような、そんな存在自体が反則とさえ言えるような。
そして……

「……あいつ、だな」

あの時、自分でもらしくないと思った。どんな攻撃でも受けきるという自身があった。
だがそれを揺らがす程の強さを感じた。あの時は目の前の女教師を全力で相手にするつもりでいた。
それが自然と彼の体を動かしてしまったのだ。

(要は……)

あいつから一撃をもらえば立っていられない。そんな風に彼は感じてしまったのだ。

(……)

恐怖? とでも言えばいいのか。そう、あの時黒子は相手にされなかったのではない。
花山を理由はあれど自分から退かせるというとてつもない偉業を成し遂げていたのだ。
勿論、本人はそれを知る由もないが。

575 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/14(土) 21:03:08.02 ID:jCyiSnHH0 Be:
wktk
花山は学生って設定?

577 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/14(土) 21:11:08.72 ID:Gx88mCbaO Be:
学生待遇でおま

579 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/14(土) 21:17:56.57 ID:Gx88mCbaO Be:
今度対峙する機会があれば、全てを出し切りたい。最優先で相手をしたい。
恋い焦がれるような感覚すらその闘いに感じてしまう。
他の追随を許さぬ圧倒的な力による制圧ではなく、全くの対等な喧嘩でもない。
初めて味わった超常。そしてそれを充分に理解をした使い手。だから彼女が彼に取っては特別なのだ。


ごり、と拳を鳴らし来るべき時の愉しみを想像し、浸る。と……

「秘密兵器発動ー! ってふぇあ! うちみたいになってますですよー!?」

そこへ担任の合法ロリが上がり込んできた。

580 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/14(土) 21:21:01.68 ID:ffdH40j6O Be:
合法ロリと非合法オッサンの組み合わせか

612 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/15(日) 01:32:47.90 ID:cN5fW4pDO Be:
なるほど、予想通り合い鍵か何かを作ってきたのだろう。別段困ったことはないが……

「ああああ!? こんな銘柄を無造作に……ああああ!! こんな高、ちょ、ふぉ!」

こうも朝から騒がれるとさすがに来るものがある。
基本的には口数の少ない彼だが一言くらいは言うべきかと悩む。

「はぁ、はぁ。お宝を思わず興奮を隠せなかったりですが、先生こんなことで騙されたりは!」

「……持ってくかい」

「はふあ?! そ、そんな誘惑……は! そう! 没収、没収なのですよ、ふふ、うふふふ」

名案とばかりにほくそ笑む教師。そこには幼さなんて微塵もないが。

「……と、冗談はこれくらいにして」

そそくさと胸の中に煙草を隠した気がするが見なかったことにする。

625 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/15(日) 06:00:51.53 ID:cN5fW4pDO Be:
「花山ちゃんが特別なご家庭の事情でこういった“日常”に慣れないのは分かるのです。でも、だからと言ってそれを蔑ろにしてはいけません」

スタスタと背中を向けた花山の隣まで移動し、座り込む。

「花山ちゃんはきっと人の上に立つ人になります。だからこそ、下の人達がどんな風に生きていくのかを知っておかなければいけないのです」

もっとも、と付け加えて、

「花山ちゃんがそれを望むにしろ望まないにしろ、学ぶ事は無駄ではないのです。きっと生きていく上で何か力になるはずなのです」

だから、と締めくくり、

「花山ちゃん、一緒に学校。行きましょう」

にへら、と見なくても分かる笑顔の雰囲気に花山は短く息をもらす。悪くないと感じてしまう自分自身に、だ。
この教師は義務や仕事といった部分ではなく自分を一人の人間として、生徒として本気になってくれるのだ。
そう伝えられる不思議な力が彼女にはあるのだ。

むくり、と起き上がった彼はそのまま部屋の奥へと引っ込んでしまう。
その様子に少し悲しそうな表情を作る教師だったが、

「外で待ってくれるか。用意する」

その言葉に満面の笑みを浮かべるのだった。

626 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/15(日) 06:22:16.05 ID:cN5fW4pDO Be:
久しぶりに袖を通した学生服というのはどうにもしっくりとこない。

「お似合いなのですよぉ」

と、隣の教師は太鼓判を押すが道行く人間が誰しも怪訝な表情か明らかに目を合わせないあたりそちらが正当な評価だろう。と、

「あ。小萌先生。おはよう」

「あや、姫神ちゃん。おはようなのですよ」

ふらりと一人の少女が現れる。ここまで彼女は何人もの生徒に挨拶されていたが足を止めたのは初めてだった。

「……。おっきい」

「ふふ、こちらは花山ちゃん。転入生さんなのですよ」

「転入生。私と同じ。よろしく」

ぺこり、と下げられる頭に会釈で返す。どうやら自分の姿を見てもあまり萎縮しないでいてくれるらしい。

「せっかく同じクラスなんだから一緒に登校しちゃうのですよ!」

「でも。転入の手続き確認とかしなきゃいけないはずなの。だから途中まで」

「はぅあ! そうでした!」

本気で忘れていたのか急に慌ただしくなる。

「花山ちゃん! 急ぎになりますからしっかりついてきてくださいね! って、早っ。というか歩幅が違いすぎて先生おいてかれてるようなー?!」

644 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/15(日) 15:22:43.31 ID:fzys6SI50 Be:
ほしゅ

勇次郎ってどのくらいまでの能力者に勝てるんだろうか
レールガンには余裕そうだけど

645 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/15(日) 15:44:26.99 ID:uPx6TmGY0 Be:
5位までなら勝てるかもな
4位は知識がなければ厳しい
3位は手加減がデフォだから勝てそう

652 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/15(日) 16:13:49.85 ID:+7RpvupB0 Be:
そうきたかァ~~~ッッッ 範馬勇次郎ッッッ

で木原神拳使っちゃうよ

679 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/15(日) 21:36:46.90 ID:UL8jc7NW0 Be:
木原神拳は他の人に使えると思えないけどなあ
一方さんは基本的に反射に設定してるだけだし他の方向に切り替え可能なはず
その切り替えについていけたのも一方さんの能力を開発した木原クンだったからこそだし

674 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/15(日) 20:58:01.28 ID:KdWkkLQa0 Be:
「超能力だの…魔術だの…そんなものはオマエたちで共有したらいい」

676 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/15(日) 21:19:28.75 ID:TU06m5Ii0 Be:
どの時期の勇次郎が出てくるかも重要だよな
このSSの花山さんと一緒の時期の勇次郎ならレールガン狙撃でどうにかなる気もする
今の勇次郎なら一方さんでもたぶん無理
なんとかしてしまいそうな気がする

682 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/15(日) 22:04:50.62 ID:LHXUjpHP0 Be:
バキキャラは完全武装の軍人相手でも普通に勝つから困る
何かのアクションが必要な能力なら発動前に余裕でぶち殺されそうだ

694 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 01:09:59.30 ID:pn4MUbQuO Be:
つか一方に殴って反射されたら
バキキャラだと腕が崩壊するんじゃないの?
殴ったら威力が何処にも逃げずに自分に反射するわけだし

695 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/16(月) 01:12:42.59 ID:5x76U/orO Be:
オーガが能力開発されたらどんな能力付くんだろうか

697 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 01:21:51.16 ID:VWHKsHZw0 Be:
腕が崩壊したなら反対の腕で殴ればいいじゃないってのがバキキャラじゃないのか

>>695
例え開発できても使いそうにないのが勇次郎

698 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 01:35:52.68 ID:iyqARjUN0 Be:
崩壊した腕で殴るのがバキキャラの嗜み
千春とか独歩ちゃんとか

740 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/16(月) 09:32:11.61 ID:a/8IHcjhO Be:
いやバキキャラなら

技術ではなくッッ……筋力で勝つッッ

とか言いそう

706 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/16(月) 02:17:57.33 ID:InyiY6jr0 Be:
黒柳徹子「ジャッジメントですの!」花山薫「ん・・・?」

714 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 04:16:01.88 ID:IM+G1A+zO Be:
その教室はざわめきで満ちていた。その元凶は転入生だ。転入生、そのキーワードに胸を高鳴らせた男子一同は今揃って目をそらしている。

「という訳で、今日からみんなと一緒に学ぶことになった花山ちゃんです。仲良くですよ!」

仲良く、していただきたいのはこちらですと言いたげな様子。そんな中堂々とバレていないつもりで会話をする三バカがいた。

「(こないな転入生イベントは許せん! 全然CG埋まらんで! ときめきを返せっちゅうねん!)」

「(いや、実はあれはロボで中には女の子が乗ってる可能性も捨てがたいにゃー。ちなみに中身はロリと予想ぜよ)」

「(いや、ロリよりも等身大なお姉さんキャラもありやと思うんや! むしろ傾向として絶滅危惧種な純ツンデレとか!)」

「(ほう、珍しく王道思考だにゃー。ところでカミやんはそこんとこどういう意見ぜよ)」

「……」

「(カミやん?)」

「(あれ、この前会ってるけどマジでロボかも)」

「「!!!」」

ガタンと、いきなり立ち上がる二人の男。

715 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 04:22:03.39 ID:IM+G1A+zO Be:
「またか! またカミやんか!」

「くっ、新規の萌えイベントは常に先取りとは……! 許せんぜよ!」

「いや待て、どう考えても有り得ない選択肢で勝手に怒りを向けるな! つぅか見てる、見てるから!」

「そこの三人は後で先生とゆっくりお話ですよ~」

ビキビキと額に青筋を浮かべつつ。

「花山ちゃん、こんなクラスですけどゆっくり馴染んでい……きすぎないことなのですよ」

「……」

終始無言ながらも決して不快という様子は出さず一番後ろの席に座ることになった花山。こうして彼の学生生活が始まった。

718 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 04:41:46.78 ID:IM+G1A+zO Be:
彼は特別優等生という訳ではなかったが、特別不良のような態度を取ることはなかった。具体的に言えば波風を立てることはなかっただけではある。
本来転入生と言えばもっと興味の対象となり自然、クラスメートとの接触が生まれるが彼の場合はそうではなかった。

「……」

さずかにこれだけの存在感と威圧感を居るだけで発する人間に興味本位だけで話しかけるのは勇気がいる。何より出で立ちが明らかにカタギではない。
下手にちょっかいを出して睨まれでもしたら。そう考えて誰しもが後込みしてしまう。

その状況が変わったのは昼休み。一人の少女がきっかけだった。

「お弁当。食べない?」

「……」

「忘れた?」

ちょっかい出すなよオーラを気付かないのか気にしていないのか。少女はあっさりの彼の前に座って話しかける。

「……ないな。作ってない」

「そう。私はいつも作ってきてる」

ぱかりと開けた弁当箱にはなかなかの出来なおかずが詰まっている。その中から適当にウィンナーをつまみ差し出す。
その様子を見守る一同。恐ろしいほどの緊張感が場を満たしていた。

719 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 04:48:30.18 ID:IM+G1A+zO Be:
「……」

「……」

対峙した二人はしばらく固まったままだが、ぷるぷると少女の腕が震えだしたところで、

「「「「「あ」」」」」

クラス一同が唖然とする中、花山、ウィンナーを頬張る。しばらく咀嚼を続け、飲み下す。

「どう。おいしい。おいしくない」

「……。まぁまぁだな」

「贅沢」

そんな普通のやり取りに、クラスの空気が少し和らぐ。
一人、また一人と彼の元へと人が増えていくのだった。

722 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 05:08:19.59 ID:IM+G1A+zO Be:
「で、花やんは組長なんや」

「……」

昼休みが終わりに近づいた頃には一通りの人間が彼のところに集まっていた。

「まぁカタギにゃ見えなかったから納得だけどにゃー」

「組長。危ない響き」

話のほとんどは周りが質問で彼はただ首をふるか頷くだけ。それでも会話になるのは周りが活発になってきたからか。
そんな中、本来ならばクラスの中でも割と中心にいるはずの少年は未だにそちらに近づけずにいた。

「(やっぱ、あの時のやつ……だよな)」

思い出すのはあの闘い。激しく荒々しかったあの現場を思うとどうしても後込みは避けられない。

723 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 05:21:37.26 ID:IM+G1A+zO Be:
それでも気になるのは確かで、ちらちらとそちらを伺う。と、向こうの自然がこちらを捉える。
まさか、と少年が感じると同時に向こうは立ち上がる。

「……」

そして無言で近づき、目の前で止まる。
改めてその巨体を間近で見ることで感じる威圧感。知らず、息を呑む。

ただ事ではないと感じたのか再び緊張がクラスに走るが……


「あの時は、巻き込んで悪かった」

その一言と共に手を差し出す。握手の要求だ。

「あ、ああ。いや、というか元々は俺が悪かったし……」

それを拒む意味はないので当然のようにその手を握り返した。
こうして一日にして彼はクラスに馴染み始めたのだった。

725 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/16(月) 06:08:18.99 ID:IM+G1A+zO Be:
一方その頃。常盤台ではカリキュラムによる能力開発が終わって尚、未だに動き続ける陰がある。
ツインテールに華奢な姿は学園都市の中で19人しかいないとされる一度に複数の対象を移動させる強力な能力の持ち主だ。
しかしそこにある姿はそのような肩書きとはかけ離れた、必死な姿しかない。

「はぁ、はぁ……っ、く」

精神力が直接影響する能力なだけに、連続して使い、さらに負荷をかけての訓練。これを繰り返す。
既に自分の中ではかなりの限界値に近づいているのを把握はしている。しかし、その先こそが必要なのだ。
いつか対峙したレベル5に近いほどの空間移動能力。あの力の、あの力以上の領域が欲しい。
その理由となる壁であり、山として思い出す男の背中。そこにたどり着く必死の思いが彼女を消耗させていく。

「……っ、私、は……!」

その後、風紀委員の仕事まで一度も彼女が休むことはなかった。

732 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/16(月) 08:33:16.34 ID:9RovxUy2O Be:
レールガンしか読んだことないが、面白い。

733 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/16(月) 08:38:06.32 ID:fpgDWzHs0 Be:
俺は刃牙は全部読んでるけど禁書は全く知らないが面白い

734 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/16(月) 08:40:03.19 ID:3RRC66EVO Be:
でも両方読んでる俺はもぉーっと面白い!

782 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sag] 2009/11/16(月) 14:21:45.25 ID:phvml1FaO Be:
そう言えば刃牙も一応高校生なんだよな

783 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/16(月) 14:27:05.56 ID:7tdE3OvbO Be:
小萌「転入生のピクルちゃんでーす」

833 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/17(火) 03:30:28.31 ID:JwwsSysMO Be:
男は初日の帰りに何人かからの誘いを受けていたがどれも断っていた。彼にとってその日は大事な買い物がある日なのだ。
第六と第七の境にほど近い、少々高い物件の中にそれはある。

「来たか。今日もいつものでいいかな?」

本来そこはとある印刷企業系のオフィスとして登録されていたはずだ。
しかし、実際には高級な雰囲気漂うアンティークに彩られた立派な『店』だ。勿論裏向きのではあるが。

「……」

多少値は増すがどうやら前のような場所ではなく、きっちりと商売として成り立たせているのだろう。安定して向こうからは品が提供されてくる。
これでも金というものは生活する以上の分で多少荒く使ったところで問題ないほどにはある。よって、ここは彼にとってはお気に入りの一つとなっていた。ただ一つの点を覗いて。

「しかし君もなかなかにカタギの側ではないようだが……」

酒を紙袋に詰めきれないほどに入れながら、彼は切り出す。

「他に何か入り用じゃないかね? 例えばそこにあるような最新の武器や、生きのいい娘も、」

そんな言葉を最後まで聞くことなく、彼は袋を受け取り、去っていく。

「ああ……全く。私は君ともっとより良い付き合いがしたいつもりだ。いつでも注文は待っているよ」

834 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/17(火) 03:39:57.45 ID:JwwsSysMO Be:
オフィス街の裏を抜けながら彼は考える。“悪”がいけないとは思わない。自分も社会から見れば立派な悪だ。
いや、悪に立派も糞もないだろう。それはどんな世界の、どんな場所にだってある。
それでも義がない悪は受け入れがたい。そう感じてしまう。
例えばそう、この街に救う闇とはその類だ。人間味をひどく欠いた、そんな腐敗臭が立ち込める。
今通うあの場所もその一端を覗かせるが、しかしそれ以上の何かがある。
その“何か”が花山にとっては踏み込まずにいたい一線を引かせる原因だった。
かちゃり、と音を立てる袋から一本のワイルドターキーを取り出し片手にて空けると、一気に飲み干す。
何故かお気に入りの一本が、何故か昼間に食べた弁当よりも味気なく感じた。

836 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/17(火) 03:55:26.75 ID:JwwsSysMO Be:
そんな道中、湿った路地裏から後少しといったところで見覚えのある後ろ姿を見つける。
土御門、といったか。金髪にサングラス。後ろからは見えないがきっとはだけた学生服は下にアロハシャツを着ているからだろう。
あの目立つ出で立ち故に見間違いということはないはずだが、確か帰りにはどこかへ寄ると言っていたはず。
そうこう考えている間に彼はキャンピングカーに乗り込んでいく。

「……」

その奥にチラリと白い影が見えたような気がするが、それはすぐにどこかへ走り去っていく。
気にしても仕方ない。そう結論付けだ彼は日の当たる場所へと出ていくのだった。

837 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/17(火) 04:09:07.81 ID:JwwsSysMO Be:
そんな彼とは対象的に、この街の闇であり、底辺にして地獄へ向かうキャンピングカーの中では四人の人間が揃っていた。
そこには仲のよいなんて言葉とは正反対な、ピリピリとした空気が漂う。

「しっかしにゃー。あの話がマジもんだったとは意外ぜよ」

「おや。この重たい空気を打開する素晴らしいお話ですか」

「いいから黙ってろ。馴れ合いなんて要らねェんだよ」

「同感ね。いいから仕事の話に入りなさいよ」

ギスギスとした空気は更に物理的に重みを持とうとしていたが、

「ま、聞いとけ。意外と無駄にはならんはずだ」

金髪の少年が笑いをひいたあたりで全員が彼の方を見すえる。

「裏で新しい動きがあった。『素材』ってコード名で、今あるものが集められている」

彼は一枚の紙切れを取り出し、優男に放る。

840 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/17(火) 04:17:48.55 ID:JwwsSysMO Be:
「……このリストは?」

そこに見覚えがないのか順にその場にいる面々に回していく。

「そこにいる人間は全部無能力者《レベル0》扱いだ。というより能力開発がまだってところか」

「それがどうかしたってかァ?」

「ああ、こいつらは能力なんて使わずにレベル4以上と渡り合える人間だそうだ」

その言葉に全員が動きを止める。

「冗談。なんの為の能力開発よ」

まさにこの学園の存在意義に真っ向から挑むような情報に、さすがに反論が出る。

「だが事実だ」

「しかし全くの予備知識すらなく、強能力を圧倒すると言われても想像がつきません」

車内には今違う意味で空気が重みを持ち始める。

841 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/17(火) 04:26:40.25 ID:JwwsSysMO Be:
「勿論、圧倒するとは言ってない。寧ろ大部分の場合は負けるだろうな」

「でしたら、」

「だが、勝てる可能性も十分秘めている。そこがミソだ」

例えば、と彼は言う。

「身体能力が人間の限界値を遥かに越えていたり、積み重ねた経験による先読みにもにた勘、そして常人にない何か」

「……それらはまるで」

「そう、『原石』に成り得る『素材』だ」

そして一同が改めてリストに注目する。

「勿論眉唾だろうと高をくくってたんだが……まぁ、出会っちまったんだよ。『素材』にな」

そうして彼が睨むように見つめる名前の欄には【花山薫】のそれが記されていた。

844 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/17(火) 05:34:35.10 ID:IR3ElZxJ0 Be:
バキしか知らないけど能力開発ってショッカーの改造みたいなイメージでいんですか

845 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/17(火) 06:12:56.74 ID:uNo8dE+QO Be:
いいんですよ

857 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/17(火) 10:11:27.77 ID:YOwfxb0O0 Be:
         \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
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       ,...:´::::::::/.:::::::::::::::::::::::::::::/ |::::: ハ::::::::::::::::::::::::::/ !::/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>
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        /.:::::::::::::.イ:::::::::::::/<でうラ'ヘ`}:ト::∧:l::::/厶イ´.::::∨::|:::::::::::::\ー―一
          ー‐ァ.:::::::::{ 厶イ:::ハ/  `ニ ノ.:::jノ.::::::八/.:::'でうラヽ/.:::|:::::::::::::::::::\
         /___::∧ (|/   〈::::::::::::::::::::::://.:::::::::::::ー一'.:::::::j/!::::::::::\ ̄
           /.:::::ハ ∧    \::::::::::::::/  {::::/ ̄ ̄\::::::::::/ }:::::::「 ̄
          ∠::::::::::::八 :.       \:::::/   }::j\    /.::::::/ ∧ハ|
           厶イ:::::::::ーヘ            ´/ノ.::::::\_/.::::::/イ  }
            ノイ::/i:::ハ         {:::::::::::::::::::::::::::∧丿      ※上条さんがこのスレをみつけました
                |/  |::::::|\     , -‐='::、::::::::::::::::::::/
                  x≦ハ| ::\     ー‐.:::::::::::::::::::/
                 / ∨//|  ::::\    `7.::::::::::::.イ\
              /   ∨/j   \:::\  ;::::. .<:::::'///\
             /     ∨′   \:::::: ̄::::::::::::::::'/////⌒ヽ、
            /         >x:::.、   \::::::::::::::::::::{'/////////\

868 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/17(火) 17:32:04.10 ID:hyMjJ8c10 Be:
表通りを何気なく歩いても、往来を無頼が闊歩しているようにしか見えない。
道行く人は皆、彼に道を空ける。

当の本人としては威嚇しているつもりはないのだが、ある意味「恵まれた体躯」が周囲にそう認識させる。
野生のライオンが満腹で歩いていても、捕食される側の動物が逃げ出すのと同じことだ。
彼は「捕食する側の宿命」と割り切っているのだが、先程の味気ないワイルドターキーが
何故だか今日はやたらにその「捕食する側の孤独」を刺激する。

「……」

もしかしたら「能力者」も同じ孤独を抱えるのだろうか?
何故だかふと、あの黒子という少女の顔が過ぎった。
そう、彼女もまた同じ「捕食する側」なのだから。

突如、彼の四肢を鉄矢が貫く。
そして目の前に現れたのは思い起こしていた少女。
今にも泣きそうな顔で彼に告ぐ。

「……ジャッジメント……ですの……」

869 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/17(火) 17:38:11.45 ID:hyMjJ8c10 Be:
更に彼の身体に無数の鉄矢が突き刺さる。
動きを封じるという目的にしては執拗。
それ以上の何かを込められているかのような鉄矢の雨。
初撃で四肢にダメージを受けているとはいえ、半分は回避
迎撃できたであろうその豪雨を花山薫は受け止め、崩れなかった。
表情一つ変えずに少女に告ぐ。

「随分なことしてくれるじゃねぇか……気に入ってたスーツが台無しだ」

「……その怪我では再起不能ですの……貴方はこのまま学園都市を去って下さいませ」

その双眸から流れる涙。悔しそうな口唇。震える肩。

「お嬢さん……オレのスーツを汚さなきゃならなかった理由……聞かせてくれないか?」

声を荒げることもなく彼は続け、少女を見据える。
その姿は人の心を確かに打つものだった。
理由の「誤魔化し」など彼には通用しない。

870 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/17(火) 17:39:55.63 ID:hyMjJ8c10 Be:
「それは……それはこのスレももう終わりに近づいているからですわ!」
「貴方がここを去れば話は終わる!こうするしかなかった!」
「でも…私は悔しくて堪りませんの!この書き手、なかなかうまく書いていますわ!」
「できれば続けて欲しい!でもっ……!」

堰を切った少女の感情の吐露。
幼さの残るその美しい顔を涙でクシャクシャに歪ませ、嗚咽する。

「見てらんねぇな……続けて欲しいんなら……信じろ」

彼は左上腕に突き刺さった鉄矢を力任せに引き抜くと、その鉄矢で一気にコンクリートの壁を削った。
そこに刻まれし文字は「保守」の二文字。

これぞ真の侠、花山薫であるッ!

花山・黒子「「保守ッ!」」

871 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2009/11/17(火) 17:50:30.39 ID:0iHOnq2cO Be:
期待させんじゃねえw

886 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/17(火) 21:00:44.25 ID:JwwsSysMO Be:
「初春、どしたの?」

「ふぇ? あ、えぇと。……何でもないです」

「それが何でもない奴の顔~? うりうり、話してみんしゃい」

「ひゃふ?! ひゃへへくらはひ~!」

そんな仲むつまじい会話を繰り広げる少女達がいる。片や風紀委員の腕章を付ける以外はどこにでもいるような、だ。
一通りふざけあい、最近話題のジェラードをぱくつきながら、改めて髪の長い少女が尋ねる。

「で、マジでどうしたのよ。何か悩み事?」

「うぅ。悩み事といいますか……白井さんが、ちょっと」

「白井さんがどうかしたの?」

「なんだか最近、らしくないといいますか、無理してるような気がして」

「なるほど。それで心配になって初春まで不調な訳か」

「お恥ずかしながら……」

887 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/17(火) 21:11:53.01 ID:JwwsSysMO Be:
「ふぅむ。心当たりは?」

「そうですね……なんだか自分の能力が足りてないとかもっと伸ばさなきゃ、みたいな感じがしますかね」

「うげ。そんなの言われたら私達はどうすりゃいいのよ」

「あ、あはは」

彼女が自分の能力の低さにコンプレックスを抱いていることを知るだけに冗談でも笑いにくい。だが、

「でもさ。無理して能力上げるよりも大事なものがあるってこと、思い出してもらうのがいいかもね」

ね? と、その大事なものに笑いかける彼女は良い方向に変わったと思う。

「そう、ですかね」

「そうよ、そう。だから初春も初春で一人で考えこまずに単刀直入に行かなきゃ」

「……はい! ありがとうございます!」

889 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/17(火) 21:37:41.17 ID:JwwsSysMO Be:
「という訳で相談料はいただきね」

「あぁ! それは私の分の……!」

plll...

「ふや、あ、はい」

そんな和気藹々とした雰囲気が一緒にして変わる。

「はい、はい。……すぐに」

片手で謝る形を作って席を立つ。慣れたもので相方の彼女はいってらっしゃいと声をかける。
早足で店から出て、向かう場所は現場ではなく風紀委員の詰め所だ。
連絡によればすでに現場に黒子が向かったと聞いていたが、しかし……

「(でも、大丈夫でしょうか)」

いつもなら当たり前のこの形がひどく不安に感じる。

「(確かここしばらく……)」

ずっと休んでいないはずだ。あれだけ微細な制御が必要な能力、果たして影響がないのだろうか。
とはいえ考えても仕方ない。自分にできるだろう、サポートするだけだ。
そう心に決めて、足を進める。




しかし彼女のその心配は現実になってしまおうとは誰が知ろうか。

908 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/18(水) 05:27:38.65 ID:4gQtblf6O Be:
白井黒子は最悪な現状について考えていた。何故こんな事になってしまったのかを。
通報を受けたのはついさっき。念動力系の能力者によって何かが盗まれたとのこと。
アンチスキル到着までの足止めが任務だったが、そんなものを待たずとも自分が抑えると意気込み逃げ込んだ廃ビルへと突入した。
そこまではいい。……いや、正確には良くない。本来は初春たちバックアップが揃ってからの作戦だった。
ましてや逃げ込ませたのだから十分な時間の余裕があったのだ。
しかし余裕がなかったのはこちらであり、今は自信に繋がる何かを手に入れたいと必死だった。
これにより彼女は他との連絡を絶ち、単身乗り込んだのだ。
結果はご覧の有り様だ。相性悪く、ひたすら逃げ回るしか出来ない。
どうすれば、と考える彼女の頭上より、

「見ぃ~つけたぁ~」

天井に蜘蛛のように張り付いた痩せこけた男の声が降りかかる。

「っ!」

急いで空間移動を行い、また近くの身を隠せるポイントへ飛ぶ。先ほどからこれの繰り返しだった。

910 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/18(水) 05:36:57.62 ID:4gQtblf6O Be:
能力の相性自体は問題ない。相手はどうやら特定の力場により何かと何かを磁石のような性質にする能力だろう。
その条件のトリガーは触れた先のもののようなので先程から一度たりとも触れさせてはいない。
一度捨てた銃をいきなり拾い直した奇襲や、動きを止めた鉄矢を磁石の同極のように弾かれたりしたが、次から直接叩きこむと決めている。
拿捕ではなく打倒に思考を切り替えたは良かったが、相手はどうやらドラッグを服用しているのか運動能力が向上していた。
自慢の能力と組み合わせ、三次元的に動き回る相手に黒子の先読みによる鉄矢の投擲は悉く外してしまう。

「(なんの為の特訓でしたの……こんなレベル一人に手こずるなんて)」

本来の彼女ならばもっと柔軟な思考と積み重ねた戦略眼によりスムーズに事件は解決していた。
だがあらゆる意味で余裕を失っていた黒子にとって現状は先延ばしばかり。ましてや、

「(……増援のアンチスキルに期待している)」

自分は何をしているのだろうと思う。勝手に先走り、結果が出なければ他人に頼る。
こんな身勝手なことをして、何になるというのか。

911 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/18(水) 05:46:28.47 ID:4gQtblf6O Be:
そんな普段の彼女なら有り得ない戦場における油断が危機を招く。
ぽん、と軽く触れられた感覚は間違いなく敵のもの。反射的に次のポイントへ飛ぶが、

パンッ

という軽い発射音。それが聞こえてすぐに触れられた右肩に激痛が走る。

「あっ、ぐ……!」

どうやら敵は自分にマーキングを終え、後は自動追尾による銃撃をくれたのだろう。
確かにこれではいくら飛ぼうが少なくともこの廃ビルの中くらいまでは届いてくるのではないかと予測をつける。
せめて触れられた時点で一度屋外へ引いていればまた違ったのだろうが、もはや後の祭り。
痛みと蓄積した疲労により飛ぶことも叶わない。万事休すだ。

「ひひ、は。もう追いかけっこはおしまいか? はひゃ」

ひたひたともはや足音を隠すことなく気配が近づいてくる。
マーキングのおかげでこちらの位置はバレているのだろう。
最悪の覚悟を決め、せめてもの反撃とばかりに鉄矢を数本構える。

「(無様ですのね。……ですがタダではやらせませんの)」

呼吸を整え、無理矢理痛みを忘れ、飛び出そうとした瞬間。彼女は何者かに後ろから捕まる。

「(仲間!?)」

913 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/18(水) 06:29:49.55 ID:4gQtblf6O Be:
もはやこれまで、と最後の時を覚悟し目を瞑る黒子。しかしなかなか訪れない最後に彼女が目を開けると、

「……!」

そこには花山薫がいた。そして何か袋を黒子に渡し、その場に残すと物陰から一人で出ていく。
その背中は「任せておけ」と言わんばかりに頼もしかった。




時は少し遡る。彼がここを訪れたのは半分は偶然の賜物だ。
裏路地を抜けて帰る途中、彼は可愛らしいデザインの携帯を見つける。それが誰のものかは分からないが、まだ電源は切れていない。
それだけならばただの落とし物で済むが、その液晶画面に入った罅はまるで高い場所から落としたよう。ふと見上げた先にある廃ビル。
彼は一度酒の入った袋を持ち直すと迷いなくそこへと入っていったのだった。





「なんだぁー、お前はよー」

急に現れた謎の乱入者にさすがに相手も警戒する。その姿が姿なだけに余計にだ。
だがそれに何も答えずに花山は真っ直ぐに相手へと進んでいく。

915 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/18(水) 06:36:05.64 ID:4gQtblf6O Be:
何か不気味なものを感じてか、小銃を向け止まるように命令する。勿論そんなものに頷きもしなければ実行もしない花山。
一歩一歩と彼の間合いへ近づき、無造作に拳を振り抜く。
だが当然のようにそれを三次元的な回避方法でいなすと同時に敵は花山に軽く触れる。
これだけでチェックと言わんばかりの表情になり、

「ひゃ、はは、お前はもう俺には近づいて来……」

事実を突きつけようとした矢先、

ズン! と花山が一歩を進む。

「へぁ?」

おかしい。かなりの斥力が奴には働いており、進むどころか本来はビルの外へとはじき飛ばしているはずだ。
そう頭ではわかっても目の前ではそれが覆されている。一歩、また一歩とその男は確実に歩みを止めはしない。

「ふ、ふざけんなぁ!!」

パン、パンと立て続けに発砲音が鳴り響くがそれさえ彼を止める術に成り得ない。

916 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2009/11/18(水) 06:42:34.91 ID:4gQtblf6O Be:
ここに来て相手が何かとんでもない存在なのだと気付いたのか、全ての力を振り絞り斥力へと注ぎ込む。
それによりさすがに歩むペースは落ち、両者は膠着状態に陥る。しかし、飛び道具を持つ分、どちらが優勢かは言うまでもない。

「ひ、へへ、ぁ。びびらせやがって、しねや」

今度こそ慌てず、男の眉間に銃口を合わせる。あとは引き金を引くだけで勝利は確定する。
だというのに花山は一切動揺を見せず歩みを続ける。やはり不気味だ。言いようのない恐怖に包まれ、もはや猶予はないと彼は引き金を引いた。

パン、と銃声が鳴り響き、全てが終わった。

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